アサーション(assertion)という言葉を聞いたことがありますか?!
言葉の意味は、「自己主張」です。
相手と対等な立場に立って、自己主張するための「コミュニケーションスキル」です。
また近年では、認知行動療法におけるコミュニケーションスキルとしても位置付けられています。
人材育成の観点から、注目されているアサーション。
特に部下を持つ管理職の方には必要不可欠なスキルの一つといえます。
~この記事は、こんな人にオススメ~
- コミュニケーションスキルを身につけたい方
- チーム内において、円滑に業務を進めたい方
- 部下を持つ、上司の方
- 上司との接し方に悩んでいる方
- 人間関係を上手に築いていきたい方
- アサーションについて知りたい方
など、人それぞれの意見があってよいと思っています。
今回は、そんなアナタへの手助けになれば幸いです。
今回は「アサーション」について、
今すぐ実践できる方法と合わせて解説していきます。
アサーションとは?!
アサーション(assertion)とは、「自己主張」という意味の単語です。
「コミュニケーションスキル」のひとつ。
相手と対等な立場に立って、自己主張するためのものです。
また近年では、認知行動療法におけるコミュニケーションスキルとしても位置付けられています。
お互いの意見や価値観を尊重しながら、自分自身の言葉を的確に主張するための方法です。
コミュニケーションにおける「3つ」のタイプ
- ①、アグレッシブ(攻撃タイプ)
- ②、ノン・アサーティブ(非主張タイプ)
- ③、アサーティブ(攻撃タイプと非主張タイプの黄金比)
上記の、3つに区分されます。
まずは、この3つのタイプについて解説していきます。
①、アグレッシブ(攻撃タイプ)
~自分のことだけを考えて、相手はお構いなし~
- 自分を中心に考え、相手のことは考えない
- 攻撃的に主張する
- 語調は優しくても、相手に逃げ場や選択の余地を与えない
- 主張を押し付ける
支配的・攻撃的な自己表現
②、ノン・アサーティブ(非主張タイプ)
~自分よりも相手を優先し、自分のことは後回し~
- 相手を中心に考え、自分の意見を押し殺してしまう
- 自分の意見に口ごもる
- 意見を言いそびれる
服従的・消極的な自己表現
③、アサーティブ(攻撃タイプと非主張タイプの黄金比)
~自分のことをまず考えるが、他者への配慮も忘れない~
- 相手の意見を尊重して自己主張する
- 相手に配慮しつつ自己主張する
- 客観的に説明することから始める
主張的・尊重的な自己表現
アサーショントレーニング
【ワーク①】
あなたがAさん(入社1年目)なら、どうしますか?!
~Aさんの状況~
明日までに仕上げなければいけない、自分の仕事に追われっぱなし・・・。
このままだと、残業になってしまう・・・。
家に持ち帰ってやらないと、明日には間に合わない・・・。
残業申請も言いにくいなぁ・・・。
~Bさん(Aさんの先輩社員)~
Aさんに言いました。
明日、C店長に資料の提出が必要なんだ!
ちょっとAさんの担当するところなんだけど・・・。
相談に乗ってくれないかな?!
シンキングタイム
あなたがAさん(入社1年目)なら、どうしますか?!
具体的に、どのような言葉で相手に何を伝えますか?!
考えてみよう。
・・・
・・・
・・・
自己主張の3パターン
あなたは、どのパターンに近かったでしょうか?!
~パターン①~
無理ですよ~!!!
今、わたしは自分のことで手一杯なんです!!!
残業したくないんです!!!
もっと早く言って下さいよぉ~。
~パターン②~
急ぎですか~?!
・・・ちょっと待ってください。
・・・・・・・。
・・・まぁいいですよ。
相談って何ですか?!
~パターン③~
Bさん、相談はどれくらい時間が掛かりそうですか?!
私もいま、明日までの仕事に追われています。
申し訳ないのですが、今すぐ相談に乗る余裕がないんです。
ただ、一緒に協力していただけますでしょうか?!
フィードバック
~パターン①~ アグレッシブ(攻撃タイプ)
無理ですよ~!!!
今、わたしは自分のことで手一杯なんです!!!
残業したくないんです!!!
もっと早く言って下さいよぉ~。
~パターン①に近かった方~
~自分のことだけを考えて、相手はお構いなし~
- 自分を中心に考え、相手のことは考えない
- 攻撃的に主張する
- 語調は優しくても、相手に逃げ場や選択の余地を与えない
- 主張を押し付ける
もしかしたら、先輩社員のBさんは屈辱を感じたかもしれません。
今度Aさんが相談に来た時には、助けてやるもんか!と憤りを感じるかもしれません。
Aさんの多忙さを理解する気持ちにはなれないかもしれません。
Aさんは、攻撃的に主張したつもりはないかもしれません。
Aさんは、自分の状況を伝え、自分なりの返答をしただけかもしれません。
しかしBさんからすると、自分の相談は拒絶されたと、メッセージを受け取ってしまいます。
その結果、不信感を抱くようになり、人間関係が悪化する可能性があります。
支配的・攻撃的な自己表現
~パターン②~ ノン・アサーティブ(非主張タイプ)
急ぎですか~?!
・・・ちょっと待ってください。
・・・・・・・。
・・・まぁいいですよ。
相談って何ですか?!
~パターン②に近かった方~
~自分よりも相手を優先し、自分のことは後回し~
- 相手を中心に考え、自分の意見を押し殺してしまう
- 自分の意見に口ごもる
- 意見を言いそびれる
Bさんは、Aさんに対して感謝と同時に、罪悪感を持つかもしれません。
Aさんは優越感を持つか、見下す気持ちが芽生えるかもしれません。
Aさんは一見相手を立てているように見えますが、内心は自信がないかもしれません。
相手から悪く思われたくない気持ちが強いかもしれません。
断れなかった自分自身に対して嫌悪感が強まるかもしれません。
服従的・消極的な自己表現
~パターン③~ アサーティブ(攻撃タイプと非主張タイプの黄金比)
Bさん、相談はどれくらい時間が掛かりそうですか?!
私もいま、明日までの仕事に追われています。
申し訳ないのですが、今すぐ相談に乗る余裕がないんです。
ただ、一緒に協力していただけますでしょうか?!
~パターン③に近かった方~
~自分のことをまず考えるが、他者への配慮も忘れない~
- 相手の意見を尊重して自己主張する
- 相手に配慮しつつ自己主張する
- 客観的に説明することから始める
①、事態を客観的に説明することから始める
②、その事態が自分に引き起こす感情体験を率直に表明する
③、その事態を解決する思いを示し、協議する意思を表現する
上記の、3点を相手に伝えることがポイント!
お互いにWIN-WINとなる解決策を見出すことが可能となる!
主張的・尊重的な自己表現
【ワーク②】
あなたなら、どうしますか?!
<状況>
本日、新しいiphoneが店頭で販売されます。
開店前のお店に列ができていました。
あなたはそこで並んでいます。
そんななか、一人の購入したいお客様が列に割り込んできました。
そのとき、あなたならどうしますか?!
以下の、4つのパターンから選択してください。
<選択肢>
①、嫌な気持ちになりながらも、何もしない。
②、「ちょっと、割り込まないでくださいよ!」と怒鳴る。
③、本人に聞こえるように、別の人に向けて「なんで割り込むんですかね」と愚痴を言う。
④、「すいません、最後尾はアチラですよ」と言う。
シンキングタイム
フィードバック
(1)受動的コミュニケーションスタイル
①、嫌な気持ちになりながらも、何もしない。
を、選択した方。
言いたいことが言えない・断れない「受動的コミュニケーションスタイル」
通称:モジモジさん
~相手を尊重して自分を尊重しないスタイル~
<特徴>
①、他人からの理不尽な頼み事も、引き受けてしまう
②、長いものに巻かれてしまう
③、他の人が意見を述べるまで、自分の意見を述べない
<代償>
①、さらに頼みごとをされ、自分の時間を犠牲にしてしまう
→ ストレスで病気になってしまう可能性も!
②、人に振りまわされているという怒りを相手に感じてしまう
③、怒りをためこみ、ある日に爆発してしまう
→ 攻撃的になってしまう
気をつかってしまうことで、自身が疲れてストレスを溜めこんでしまう。
(2)攻撃的コミュニケーションスタイル
②、「ちょっと、割り込まないでくださいよ!」と怒鳴る。
を、選択した方。
ついカッとなってしまう「攻撃的コミュニケーションスタイル」
通称:ガミガミさん
~自分を尊重して相手を尊重しないスタイル~
<特徴>
①、大声で怒鳴り言葉で相手を攻撃することで、短期的に要求を押し通しゴールを達成しようとする
②、建設的に意見するのではなく、ざっくり全体的に人格否定をする
③、過去の相手の間違いを持ち出して攻撃し、自分が正しいことを主張しようとする
<代償>
①、話す内容よりも、怒っている印象が大きくなってしまい、本当に伝えたいことが分からない
②、相手が表面上では言うことを聞いたとしても、心は離れている
③、相手の心に反発心が生まれ反論をしてくるので、話が進まなくなる
攻撃することに焦点があたり、伝えたいことが的確に伝わっていない可能性があります。
(3)作為的コミュニケーションスタイル
③、本人に聞こえるように、別の人に向けて「なんで割り込むんですかね」と愚痴を言う。
を、選択した方。
隠れたり避けて結果だけを達成するしまう「作為的コミュニケーションスタイル」
通称:ネチネチさん
~相手も自分も尊重しないスタイル~
<特徴>
①、嫌いな同僚の悪口を本人ではなく、他の人に言って怒りを発散する
②、約束の時間にいつも遅れて、いつも色々な言い訳がある
③、必要な書類や約束をうっかり忘れる
<代償>
①、周囲の人たちが作為的スタイルのパターンに気が付き、信用されなくなる
②、毎回言い訳を考えなければならない
③、心の奥底で「罪悪感」や「羞恥心」などを積み重ねている可能性もある
言いたいことを言えないが、自分が望む結果を手に入れることができる。
(4)アサーティブコミュニケーションスタイル
④、「すいません、最後尾はアチラですよ」と言う。
を、選択した方。
相手も自分も尊重する「アサーション(アサーティブコミュニケーションスタイル)」
通称:サラッとさん
~相手も自分も尊重するスタイル~
<特徴>
①、相手を批判せずに、客観的事実だけをお知らせする
②、客観的事実から、過去ではなく、今をどうするのかにフォーカスする
③、相手の行動を変えることができる
<アサーションを身に着けると>
①、言いたいことを素直にサラッと伝えることができる
②、やりたくないことは、サラッと断ることができる
③、職場や家庭で他人からの信頼を得ることができる
アサーションとは、相手を尊重しながらも、サラッと自分の意見を主張するコミュニケーションスキルの一つです。
ビジネスシーンだけではなく、プライベートの人間関係においても有効活用することで、ストレスなく、より豊かな人生を送ることができるようになるといえます。
アサーティブコミュニケーションを身につける「4つ」のポイント
4つのポイント
「誠実」「対等」「率直」「自己責任」
①、「誠実」
自分に対しても、相手に対しても誠実になることを心掛ける
②、「対等」
上司・部下・同僚など、上下関係があっても対等であると考える
③、「率直」
遠回しな表現ではなく、率直な思いを言葉で具体的に伝える
④、「自己責任」
自分の言葉はもちろんのこと、言わなかったことに対しても責任を持つ
決して感情的にはならず、4つを意識することで、お互いの理解や思いやりが深まります。
【メリット】アサーティブコミュニケーション
良好なコミュニケーションは、仕事に限らずプライベートでもメリットが得られます。
コミュニケーションは日常的に発生するため、円滑に進めていくことがポイントです。
メリット①【人間関係の向上・改善】
円滑な意思疎通ができるようになる。
自分の意見を伝える際に、相手の気持ちを思いやるため、相手との関係性が良くなる。
メリット②【精神的な健康を保つ】
意見交換が活発に行えることが期待できる。
気を使いすぎて言えなかったことが、うまく伝えられるようになる。
自分の発言で相手を威圧することがなくなる。
お互いのストレス解消につながる。
メリット③【ハラスメント対策】
お互いの理解や思いやりが深まり、良好な関係性を築くことができる。
現状を把握したうえで、具体的に何をどのように変えていけばよいのか分かる。
まとめ
今回は、アサーションについて解説させていただきました。
アサーティブコミュニケーションは、コミュニケーションスキルの一つです。
これは、発信側のスキルでもあり、受け取る側のスキルでもあります。
「傾聴」がその代表的なものです。
アサーティブなコミュニケーションの活用が、
みなさんの、職場や人間関係において、
より豊かな生活になるための一歩となれば幸いです。
最後に!
サワディーから5つの助言
- いつでも前向き
- 諦めない気持ち
- 自分を信じよう
- やればできる!
- 行動あるのみ!
ご一読ありがとうございます。
これからは、アサーティブなコミュニケーションを活用し、
豊かな生活が送れることを願っています。
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